日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年9月1日プレゼンにおける上手な話し方とは?

★プレゼンでは話し方に気を配る


先日、オンラインではなく集合形式の勉強会に参加者として出席しました。時間になり、勉強会がスタートしたのですが、しばらくして私は落ち着いて聞いていられなくなりました。講師は1時間30分程話をしたのですが、その話し方にかなり改善の余地があったのです。色々と気になるところがあり、肝心の内容がほとんど頭に入ってきませんでした。そこで、今回はこの勉強会での講師の改善点をもとに、プレゼンを行う際に気をつけるべき話し方についてお話したいと思います。




★プレゼン内容にストーリー性を持たせる


まず1つ目は「プレゼン内容にストーリー性を持たせる」ということです。
この勉強会の講師は、現状の企業動向、政府の施策、企業を取り巻く環境の変化、経営者へのアンケートの結果などを説明したのですが、それらの項目について説明するだけで、項目間の結びつきや関連性などの説明が全くありませんでした。なので聞いていて「さっきの政府の施策とこの環境変化とはどういう関係があるのだろう?」と疑問に思うばかりで、話が全く理解できませんでした。それぞれの項目は大事な話かも知れませんが、次々に関連性のない話をぶつ切りでされると、聞き手は何が言いたいのか分からず、疲れてしまいます。その結果、集中力を失い、話を聞かなくなってしまいます。


こうしたことを防ぐために、プレゼンを行う際には、話の内容にストーリー性を持たせることをお勧めします。人は何かを理解する時、ストーリー性があるととても理解しやすくなります。一見バラバラに思えるものでも、「では、今申し上げた環境の変化に対して企業はどういう捉え方をしているのか、という点について次にお話します」と、そのつながりを示すことで話は格段に理解しやすくなります。プレゼンで理解して欲しいことを明確にし、そのために必要なことをストーリー性を持たせて話すようにしましょう。



★書いてあることをきちんと読み上げる


2つ目は「スライドに書いてあることをきちんと読み上げる」ということです。
実はプレゼンの際に、スライドに書かれていることをきちんと読み上げないで、書いてあることに関する解説を話す人がとても多いのです。プレゼンをする人はスライドを作成しているので、その内容はもちろんよく理解しています。なのでその人に取ってみれば、スライドに書いてあることをただ読み上げるだけではつまらないし、そうしたプレゼンには価値がない、と思ってしまうのは自然なことだと思います。しかし、聞き手は投影されているスライドを初めて見ます。書いてあることと違うことを話してしまうと、聞き手は読めばいいのか、聞けばいいのかわからなくなり、結局どちらも理解できなくなってしまいます。


従って、プレゼンをする際は、スライドに書いてあることをきちんと読み上げて、まず聞き手の認識レベルをプレゼンターと同じ状態にしましょう。その上で必要な補足説明をすれば、聞き手はストレスなくプレゼンターの話を聞くことができます。



★大切なことを繰り返す


3つ目は「大切なことは繰り返してゆっくり話す」ということです。
プレゼンでは、これは覚えて欲しいという重要なキーワードを話すことがあります。そうしたキーワードは聞き手に印象づけるように話したいものです。しかし、多くのプレゼンターはこうした大切な言葉も、他の言葉と同じスピードでさらっと話して終わってしまいます。こういう話し方では、肝心のキーワードは聞き手の記憶に残りません。聞き手は常に集中して、プレゼンターの話を一言も聞き漏らさずにいるわけではありません。それまでの話を聞いてちょっと考えていたり、話を聞いているうちに全然違うことが頭をよぎってそちらに気を取られたりしていることは十分にあり得ます。また、プレゼンターの滑舌が悪いと、参加者が集中して聞いていたとしてもキーワードが聞き取れないということもあるでしょう。従って、大事なキーワードは、意識的にゆっくり繰り返しましょう。これにより聞き手は大事なことを聞き逃すことなく、話をよりきちんと理解することができます。



★プレゼンにも活かせる話し方を学びましょう!


以上、プレゼンの際に気をつけることを3つお話しました。これらに共通していることは、相手の立場に立って話す、ということです。日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーでお伝えしていることは、全て「話は相手ありき」という考え方がベースになっています。プレゼンをする際にも活かせる学びや気づきが盛りだくさんです。ぜひ受講をご検討ください!


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